SLシート
(SLコンパウンドシート)
SLIP LAYER SHEET

SLシートの特徴、構造、性状

SLシートとは

SLシートはネガティブフリクションを
効果的に低減します。

SLコンパウンド(ネガティブフリクション低減用アスファルト)をシート状に成形したものです。コンクリート構造物垂直壁面、鋼矢板表面、異形杭表面などに貼り付け、軟弱地盤層や沿岸部の埋立地に建設する構造物の基礎となる杭等に発生する重力方向への負の摩擦力(ネガティブフリクション)を低減させる建築資材です。

ネガティブフリクションとは

密圧沈下が起きやすい地盤(過圧密状態にない粘土地盤など)に打ち込んだ支持杭の周辺が地盤沈下する際に、杭を重力方向へ引き下げようとする摩擦力のことを指し、この摩擦力を設計に入れなければ建物が傾いてしまいます。

SLシートの特長

低減効果

確実なNF(ネガティブフリクション)の低減効果

アスファルトは短い載荷時間のとき弾性体、載荷時間が長いときには粘性流体として挙動する特性(粘弾性)を持っています。SLシートは専用アスファルト(SLコンパウンド)の粘弾性を利用して、地盤沈下等によるNFを低減します。

接着性

下地との良好な接着性

下地との接着性向上のため、SLシートには粘着層を設けています。また、下地処理用プライマーにはゴムアスファルトを溶剤で希釈したものを採用し、乾燥時間の短縮と良好な接着性を実現します。

施工が容易

現場施工が容易

SLシートはカッターで必要な寸法に裁断できます。また、貼付は離型紙を剥がして貼付面に密着するだけの簡単な施工手順です。

SLシートの構造

SLシートは貼付面との接着する「粘着層」、
せん断応力を低減する「すべり層」、
すべり層を保護する「表面保護層」
からなります。
また1m×1m×6mm が定形です。

構造図
計上図

SLシートの性状

SLコンパウンドの性状

SLシートのすべり層は、SL工法専用アスファルト「SLコンパウンドBグレード」を使用しています。下記表にSLコンパウンドBグレードの性状を示します。

試験項目 規格範囲 試験法
針入度
(25℃、1/10㎜)
40~60 JIS K 2207
軟化点(℃) 65.0~73.0 JIS K 2207

ニューSLプライマー性状

ニューSLプライマーは、コンクリートまたは鋼板等の下地表面に塗布するもので、SLシートと貼付面との接着性を強化するために使用されます。下記表に「ニューSL プライマー」の性状を示します。

試験項目 規格範囲 試験法
密度(15℃)g/㎤ 35~55 JIS K 5600-2-4
(比重カップ)
加熱残分 mass% 45~60 JIS K 5601-1-2
粘度(25℃)mPa.s 35~55 JIS K 5600-2-3
(浸せき型)
引火点(℃) 25以上 JIS K 2265